胴服ちゃんちゃんこ)” の例文
櫛巻くしまきの髪に柔かなつやを見せて、せなに、ごつ/\した矢張やっぱ鬱金うこんの裏のついた、古い胴服ちゃんちゃんこを着て、身に夜寒よさむしのいで居たが、其の美人の身にいたれば
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ふもとへ十四五ちょうへだたつた、崖の上にある、古い、薄暗い茶店ちゃみせいこつた時、裏に鬱金木綿うこんもめんを着けたしま胴服ちゃんちゃんこを、肩衣かたぎぬのやうに着た、白髪しらがじいの、しもげた耳に輪数珠わじゅずを掛けたのが
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)