背高せたか)” の例文
背高せたかく顔の長いやさしそうな老人ろうじんだ。いまおくの、一枚開いた障子しょうじのこかげに、つくえの上にそろばんをおいて、帳面ちょうめんを見ながら、パチパチとたまをはじいてる。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
とき濠端ほりばたかけつけたは、もつぺととなへる裁着たつゝけやうの股引もゝひき穿いた六十むそじあまりの背高せたか老爺おやぢで、こしからしたは、身躰からだふたつあるかとおもふ、おほき麻袋あさぶくろげたのを、あし一所いつしよばして
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)