胃袋いぶくろ)” の例文
諸君は世界の地図をひらくと、ずっと下のほうに、胃袋いぶくろのような形をした、大きな島を見ることであろう、これはオーストラリアである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
なにしろ、胃袋いぶくろのなかは石がいっぱいで、のどがからからにかわいてたまらないので、ふき井戸のところへ行って、水をのもうとしました。
ところがどうだ諸君諸君が一寸ちょっと菜っ葉へをかけてたべる、そのとき諸君の胃袋いぶくろに入って死んでしまうバクテリアの数は百億や二百億じゃけゃしない。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ゆうべスッカリ吐きだして、今朝けさ胃袋いぶくろが、カラッポになっているとみえて、食慾しょくよくばかりになった目つきで、しきりに、そこらをキョトキョトと見まわしながら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うし胃袋いぶくろ 冬 第二百八十九 牛の臓物ぞうもつ
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
のみならず、十歳から十六歳までの少年である、胃袋いぶくろはおとなよりもすこやかに、食うことにかけてはことごとく豪傑ごうけつぞろいだからたまらない。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
と、ったおれた泣き虫の蛾次郎は、脾腹をおさえてフンぞったとたんに、昼間のうち胃袋いぶくろを楽しませたご馳走ちそうをのこらず口からきだして、うまやのまえにへたばってしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兵卒一「勲章と胃袋いぶくろにゴム糸がついていたようだったなあ」
饑餓陣営:一幕 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
むねや口のまわりには、田楽でんがく味噌みそだの、黄粉きなこだの、あまくさい蜜糖みつねばりだのがこびりついていて、いかに、かれの胃袋いぶくろが、きょう一日をまんぞくにおくっていたかを物語っている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
胃袋いぶくろぅ はいて ぎったりぎたり。
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)