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羨望
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せんばう
ふりがな文庫
“
羨望
(
せんばう
)” の例文
遠くの
騒
(
さわ
)
ぎ
唄
(
うた
)
、
富貴
(
ふうき
)
の
羨望
(
せんばう
)
、生存の快楽、
境遇
(
きやうぐう
)
の絶望、機会と運命、誘惑、殺人。
波瀾
(
はらん
)
の上にも
脚色
(
きやくしよく
)
の
波瀾
(
はらん
)
を
極
(
きは
)
めて、
遂
(
つひ
)
に演劇の
一幕
(
ひとまく
)
が終る。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
何ものにも影響されない、独得な女の生き方に、富岡は
羨望
(
せんばう
)
と
嫉妬
(
しつと
)
に似た感情で、ゆき子の
変貌
(
へんばう
)
した姿をみつめた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
濱町の貧しい父親の許に、
暇乞
(
いとまごひ
)
に來たお富は、近所の人達に包圍されて、暫くは、祝ひの言葉と、
羨望
(
せんばう
)
の感動詞と、あらゆる目出度いものの渦の中にもみ拔かれました。
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
本郷通りなどで
出逢
(
であ
)
ふ帝大生の群に対して
抱
(
いだ
)
いた、ある弱々しい
羨望
(
せんばう
)
をふと思ひ出したのだ。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
「照さんは幸福ね。」——信子は
頤
(
あご
)
を半襟に埋めながら、冗談のやうにかう云つた。が、自然と其処へ忍びこんだ、真面目な
羨望
(
せんばう
)
の調子だけは、どうする事も出来なかつた。
秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
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嗚呼
(
ああ
)
、この心憎き、
羨望
(
せんばう
)
すべき時代錯誤よ。時代錯誤の麟鳳よ。永久に詩人的なるものよ。
我が一九二二年:02 我が一九二二年
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
嗚呼
(
ああ
)
、この心憎き、
羨望
(
せんばう
)
すべき時代錯誤よ。時代錯誤の麟鳳よ。永久に詩人的なるものよ。
我が一九二二年:01 序
(新字旧仮名)
/
生田長江
(著)
芒原はいつか赤い穂の上にはつきりと噴火山を
露
(
あらは
)
し出した。彼はこの噴火山に何か
羨望
(
せんばう
)
に近いものを感じた。しかしそれは彼自身にもなぜと云ふことはわからなかつた。……
或阿呆の一生
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
言へ、南部家には立派な兵粮丸が傳はつて居る筈だ。數ある兵粮丸のうちでも、南部と水戸の兵粮丸は有名で、大小名方の
羨望
(
せんばう
)
の的になつて居るのに、何を苦しんで古めかしい兵粮丸の分析を
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、
奸妻
(
かんさい
)
に悩まされ、
病肺
(
びやうはい
)
に苦しまされ、作者と俳優と劇場監督と
三役
(
みやく
)
の繁務に追はれながら、しかも
猶
(
なほ
)
この嘲魔の毒手に、陥らなかつたモリエエルは、
愈
(
いよいよ
)
羨望
(
せんばう
)
に価すべき比類の少い幸福者である。
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
僕はいつもかう云ふ人々に多少の
羨望
(
せんばう
)
を感じてゐる。……
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“羨望”の意味
《名詞》
羨望(せんぼう)
羨むこと。
(出典:Wiktionary)
“羨望”の解説
羨望(せんぼう、en: envy la: invidia)とは、自らの持たない優れた特質、業績財産などを他者が持つときに起こる、それらへの渇望、ないしは対象がそれらを失うことへの願望である。羨望は他者が自分が持たない望ましい物品を持つときに、自己肯定感の低下という感情的な苦痛として現れる場合がある。
(出典:Wikipedia)
羨
常用漢字
中学
部首:⽺
13画
望
常用漢字
小4
部首:⽉
11画
“羨望”で始まる語句
羨望者