しょ)” の例文
人間にんげん死体したいよりさきに、金魚きんぎょんだことをにした平松刑事ひらまつけいじは、有頂天うちょうてんになつてよろこんで、そのしょ早帰はやがえりしてしまつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
すべて汝らのやからに属するものことごとく来たってわが呪いに名をしょせよ。わしは今わしの魂魄こんぱく永劫えいごうに汝らの手に渡すぞ。おゝ清盛よ。奈落ならくの底で待っているぞ。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「小滝」という渾名あだなをつけられてしまったのである。清三もまたおもしろ半分に、小滝を「しら滝」に改めて、それを別号にして、日記の上表紙に書いたり手紙にしょしたりした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
『ポート・バードックしょ アダイ警部けいぶどの』——と書かれてあった。
平松刑事ひらまつけいじは、ほかの方面ほうめんでの聞込ききこみをあさりにかけていたから、しょかえつてすぐに、井口警部いぐちけいぶまえばれた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
かれはそれを手に取ってその歌を書いて、「都を知らぬ鄙少女」としょして、さてそれを浦和の美穂子のもとに送ろうと思った。けれど監督の厳重な寄宿舎のことを思ってよした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「さっそくしょへもどって、作戦を立てるとしましょう」