罪業ざいごふ)” の例文
人々ひとびと御主おんあるじよ、われをもたすたまへ。」此世このよ御扶おんたすけ蒼白あをじろいこのわが罪業ざいごふあがなたまはなかつた。わが甦生よみがへりまでわすれられてゐる。
こゝにミノス恐ろしきさまにて立ち、齒をかみあはせ、入る者あれば罪業ざいごふたゞし刑罰を定め身を卷きて送る 四—六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
身に染み込んだ罪業ざいごふから、又梟に生れるぢゃ。かくごとくにして百しゃう、二百生、乃至ないしこふをもわたるまで、この梟身を免れぬのぢゃ。つまびらかに諸の患難をかうむりて又尽くることなし。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
この身とて、今は法師にて、鳥も魚も襲はねど、昔おもへば身も世もあらぬ。あゝ罪業ざいごふのこのからだ、夜毎よごと夜毎の夢とては、同じく夜叉やしゃの業をなす。宿業しゅくごふの恐ろしさ、たゞたゞあきるゝばかりなのぢゃ。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)