つゞけ)” の例文
新字:
日に何遍となく繰り返される、印刷したやうな奧さんの詞でも、たま/\内にゐて、半日の間たてつゞけに聞いてゐると、刺戟が加はつて來て、腦髓が負擔に堪へなくなつて來る。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
通て行と云は世にめづらしい人も有と口には言ねど幼稚心こどもごころの腹の中にて思ひつゞけすゝまぬ足を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
拭ひ主個あるじ親子に禮をのべ和吉を引連ひきつれ立出ながら跡へ心ののこりけるが見返り/\路次口ろじぐちへ出でゆく姿を娘もまた殘り惜氣をしげに見送りける斯くて長三郎は戸外おもてへ出ながら思ひつゞける娘がことあゝいふ女を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見給はゞ嘸驚きもなさる可く又お歎もなさる可しと思ひ廻せばまはすほど死で行身は悲歎かなしみもあらねど後へお殘りなさる其悲歎は如何ならん不孝はおゆるし下されと口には云ねど意の中おもひつゞけ打詫うちわぶる涙はむねにせぐり來てわつと計に泣出さんと爲しが父や目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)