紫羅欄花あらせいとう)” の例文
さすがに飾電灯シャンデリアばかりは煌々として雪白せっぱく食卓布テーブルクロスの上一杯に、紫羅欄花あらせいとうやチューリップ、ダアリアなぞの飾られた広い森閑がらんとした食堂で
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
瑠璃草るりさう紫羅欄花あらせいとう罌粟けしの花、どんなに嫖緻きりやうよりも、おまへたちのはうが、わたしはすきだ。ほろんだ花よ、むかしの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
一方には黄楊つげや、林檎や、梨や、櫻桃さくらんぼ等の樹が立ち並び、他方の花壇には古めかしい樣々の花、紫羅欄花あらせいとうや、亞米利加撫子アメリカなでしこ櫻草さくらさう、三色菫しよくすみれなどが青萵かはらにんじん
岩石のはざまよりは、青き迷迭香まんねんらふ(ロスマリヌス)、赤き紫羅欄花あらせいとうなどのぼりたるが、そのいたゞきにはチウダレイクスが廢城の殘壁ありて、猶巍々ぎゞとして雲をしのげり。
青い迷送香まんにょうこう、赤い紫羅欄花あらせいとう、アネモネ、薔薇ばら、そして枝もたわわなミモザ。それはお雪の手にもモルガンの小脇こわきにも抱えこぼれ、お供の少年の、背中の籠にも盛りこぼれるほどだった。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
紫羅欄花あらせいとう、帽子の帶のへりにさした人柄ひとがら前立まへだて
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)