端女はしため)” の例文
竹行李たけがうりを引出して、ポンと蓋を拂ふと、中には思ひの外の贅澤な着物。下女や端女はしための持物らしくないのが、幾枚も出て來るのです。
あのひとはあたしを卑しい端女はしためのやうにおひ使ひましたのよ。この顔を見て頂戴、あのひとが悪魔の力であたしの顔の色ざしを奪ひ取つてしまひましたの。
そこで、いったん、包みかけた荷物はほどいて、これらのお神楽師が薩摩屋敷の大広間で、腕をすぐって踊るから、志のあるほどのものは、小者こもの端女はしために至るまで、来って見よとのことであります。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ありがとうございます、まだ一度もったことのない叔母おば便たよって往くよりは、御当家のような処で、じょちゅう端女はしためのかわりに使われて、一生を送りとうございますが、まさかそんなお願いもできませず」
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
竹行李たけごうりを引出して、ポンとふたを払うと、中には思いの外の贅沢ぜいたくな着物。下女や端女はしための持物らしくないのが、幾枚も出て来るのです。
そして最後に、お綾の召仕って居る端女はしための口から、お綾が「お二人のうち、優れた方に——」と漏らしたことが伝わったのです。
奉公人下女端女はしためは、なまじっか字なんか知っていると、主人や朋輩ほうばいにイヤがられるという事に気のついたのは、ずっと後の事だ
奉公人下女端女はしためは、なまじつか字なんか知つて居ると、主人や朋輩ほうばいにイヤがられるといふ事に氣のついたのは、ずつと後の事だ
赤羽橋の袂から引立てて来た女乞食は、奉行所の端女はしための手で、見事に灰洗いにされました。
赤羽橋のたもとから引立てゝ來た女乞食は、奉行所の端女はしための手で、見事にあく洗ひにされました。
下女端女はしためは言ふまでもなく主人の内儀にまで、變な素振りを見せたことは、下女のお米の話でもわかりましたが、この佐吉が案外の黒鼠で、外では隨分派手に金を費つて居ることも
老女、中臈ちゅうろう、腰元、端女はしためまで、おびただしい数の女、女、女。
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
女中端女はしため等は、もとより寄り付けません。