稲荷山いなりやま)” の例文
芦屋あしやより平湯駅ひらゆえきに出で、大峠おおとうげを越し、信州松本しんしゅうまつもとに出まして、稲荷山いなりやまより野尻のじりそれより越後の国関川せきがわへ出て、高田たかたを横に見て、岡田村おかだむらから水沢みずさわに出まして
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
家を出てみたが、結局は行く目当もなく頼る人もない二人は、稲荷山いなりやまにのぼって相談の結果、住みなれたわが家で死のうと、再び川原坂の宿所にとって返した。
善光寺から稲荷山いなりやまへ二里、稲荷山から麻績おみへ三里、麻績から青柳へ一里十町、青柳から会田あいだへ三里、会田から刈谷原かりやはらへ一里十町、刈谷原から岡田へ一里二十八町
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
間は稲荷山いなりやまただ一丁場ひとちょうばだけれども、線路が上りで、進行が緩い処へ、乗客が急に少く、二人三人と数えるばかり、おおきな木の葉がぱらりと落ちたようであるから、掻合かきあわす外套がいとうそで
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
臼田に稲荷山いなりやま公園というところがあって、公園前の橋のたもとあたりから望んだ千曲川のながめは実にいい。あれから八つがたけ山脈のふもとへかけて、南佐久の谷が目の前にひらけています。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
山城やましろの深草山、稲荷山いなりやまなどの土が最上。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)