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秤皿
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はかりざら
如何にして
秤皿にも載せがたきこの大象の重さを知り得んと答へ
迷ひけるが、
彼大臣はまた父に問ひ尋ぬるに、そは
易きことなり、象をば船に打乗せて水の船を
没すところに
印をつけ置き
傍に
誰れも
居ず、
右の
目にも
左の
目にもローザラインばかりを
懸較べておゐやった
時には、
美しうも
見えつらうが、
其水晶の
秤皿に、
今宵予が
見する
或目ざましい
美人を
懸けて、さて
後に
彼は計画し、夢想し、光明と陰影との神秘な
秤皿の高低をながめた。