硝子蓋ガラスぶた)” の例文
腕時計の硝子蓋ガラスぶたを、白い実験着のそでで、ちょいと丸くぬぐいをかけて、そう皮肉ったのは白皙はくせき長身の理学士星宮羊吾ほしみやようごだった。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
足許あしもとほうきだの、頭の上からさがって来ているものをきわけて、一間たらずの土間の隅につれてゆくと、並んでいる箱の硝子蓋ガラスぶたをとって中の駄菓子をとれと教えた。
旧聞日本橋:02 町の構成 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
その硝子蓋ガラスぶたの上からゆびさしながら、クレーン係の政がうなった。「このスウィッチが、開いているなら、クレーンの上へ、電気が行きっこ無いんです」
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
羅針儀らしんぎも正確だ」大佐は、硝子蓋ガラスぶたの上を、指先で、コツコツと叩いた。「時間も、予期したとおり午前一時、淋代さびしろから、まさに六時間半、った」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼は待ちかねたという面持おももちで、二人を大きな卓子テーブルの方へ案内した。そこには硝子蓋ガラスぶたのついたかさばこが積んであった。
(新字新仮名) / 海野十三(著)