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眇目
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すがめ
ふりがな文庫
“
眇目
(
すがめ
)” の例文
そのとき娘はまるでこれまでに見たことのないような凄い、
眇目
(
すがめ
)
のような微笑をもらして、うまそうにその赤蛙を呑み込んでしまったのです。
不思議な国の話
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
その外に遠い親戚だという
眇目
(
すがめ
)
な男がゐた。警察の小使をした事があるとかで、夜分などは『現行警察法』といふ古い本を繙いてゐる事があつた。
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
人の顏を見る時には、まぶしさうに細い
眇目
(
すがめ
)
をして見るのであるが、ぢつと注意して觀ると、すでに眼の黒玉はどつちかに片よつてゐるのであつた。
癩
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
「
巫山戯
(
ふざけ
)
るなよ、馬鹿野郎。
菊石
(
あばた
)
で
眇目
(
すがめ
)
だった日にゃ、貞女だって石塔だって、担ぐ気になる
手前
(
てめえ
)
じゃあるめえ」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
世間のあだ名にされている
瞼
(
まぶた
)
の皮のヒッつれた
眇目
(
すがめ
)
をふせて、じっと、自分のひざの
拳
(
こぶし
)
を見ている父……。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
武芸にすぐれ、度胸満点の忠盛も、舞の方は余り
得手
(
えて
)
ではない。それにこの人は生れつきの
眇目
(
すがめ
)
である。眇目の踊りは、どうひいき目にみても、余り優美ではなかったろう。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
にらむとこの子はやや
眇目
(
すがめ
)
になるのだ。弟の方の顔はしだいにくずれて、今にも泣き出しそうな顔になった。しかし泣き出しはしなかった。眼をキラキラさせて、
脣
(
くちびる
)
を噛みしめている。
魚の餌
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
次の機会に
眇目
(
すがめ
)
になりかけのノーソフが少し喋る。ポツリ、ポツリ、職長、党員のペトロフが目立たない言葉を挾んだ。——みんなが上手く喋るどころか! ノーソフの奴、勢こんで
ズラかった信吉
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
子供の時分に姉の家に庫次という
眇目
(
すがめ
)
の年取った
下男
(
げなん
)
が居た。
KからQまで
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
人の顔を見る時には、まぶしそうに細い
眇目
(
すがめ
)
をして見るのであるが、じっと注意して
観
(
み
)
ると、すでに眼の黒玉はどっちかに片よっているのであった。
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
「
巫山戯
(
ふざけ
)
るなよ、馬鹿野郎。
菊石
(
あばた
)
で
眇目
(
すがめ
)
だつた日にや、貞女だつて
石塔
(
せきたふ
)
だつて、擔ぐ氣になる
手前
(
てめえ
)
ぢやあるめえ」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
つい保元平治の合戦の前までは、
眇目
(
すがめ
)
の子の
安芸
(
あき
)
どのか——ぐらいに下に見ていられた清盛が、内大臣からまたたくまに、太政大臣——嘘のような事実である。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と言つて、
眇目
(
すがめ
)
の老爺は面白相に笑つた。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
伊勢平氏
(
いせへいし
)
は
眇目
(
すがめ
)
、伊勢平氏は眇目」
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「いや、まったく。生来が
眇目
(
すがめ
)
の
質
(
たち
)
。御無礼の罪は、どのようにもお詫びいたしますゆえ、一命だけは」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
赤黒くて強健で、無口で頑固な宇太松は、
眇目
(
すがめ
)
で
横肥
(
よこぶと
)
りがして、この上もない
醜男
(
ぶおとこ
)
でした。
奇談クラブ〔戦後版〕:15 お竹大日如来
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
なぜならば、そのどれを見てもびっこで、
眇目
(
すがめ
)
である。そして藤の花を冠にさし、青い衣を着ている。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
眇目
(
すがめ
)
の伊勢どのは、美人を妻にもったため、女房負けしてござるぞと、世間ではいっているわ
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“眇目”の意味
《名詞》
片目。隻眼。
(出典:Wiktionary)
眇
漢検1級
部首:⽬
9画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“眇目”で始まる語句
眇目鍛冶