相互そうご)” の例文
西洋人はともすると、東洋人はおんを知らないという。また我々とても相互そうごに、彼奴きゃつは恩を知らぬやつだといって悪口あっこうする。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
最後に相互そうごの代表からなごやかなあいさつを述べて解散することになったが、もしわかれぎわになって興国塾の塾生たちがきちんと玄関前に整列し
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それにもまして、二人ふたりは、すずめたちの相互そうごたすこころうつくしく、とうとかんじたのでありました。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
もちろん相互そうごの国交はとうに断絶しており、関所の要害は海路まで厳密を極めている。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
単に鼻をぎ合うとか、り合うとか、目をちょっと見合すとかいうだけで、相互そうごの意志が完全に疎通そつうするのに、人間はまわりくどく長たらしい会話をして、しかもなお容易に意志を通じ得ない。
相互そうご喧嘩けんかも起こらねば、国と国との戦争も起こるまい。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
日本では、国民相互そうごの横の道徳は、おのずから、君臣のたての道徳の中にふくまれている。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
人間が本来もっている創造の欲望と調和の欲望とを塾生相互そうごの間にまもり育てつつ、何の規則もなく、だれの命令もなしに、めいめいの内部からの力によって共同の組織を生み出し
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)