目明めあかし)” の例文
そして南町奉行中山出雲守の手から、曲淵治左衛門まがりぶちじざえもんと広瀬佐之助の二人が群がる人々を分けながら両三人の目明めあかしを連れて入ってきた。
傾城買虎之巻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
と、佐幕方の、目明めあかし文吉に対抗させるため、長州藩が利用している目明の、縄手の嘉十郎は云って、植甚の方へ歩きかけた。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
目明めあかしの鼻介は十手の名人日本一だという大そうな気取りを持っていた。その証拠として彼があげる自慢の戦績を列挙すると、次のようなものである。
なんで甚藏が呶鳴るかと他人ひとの耳にも這入り、目明めあかしが居るから、おかしく勘付かれて、あいつが縛られて叩かれると喋るから、の道新吉さん仕方がない
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
付込にせ役人と相成三吉小猿を目明めあかしとなし私儀は御役人のていにて夫婦を召捕めしとり金子三十七兩を出させ其場を見遁みのがし申候其後十二月初旬はじめ手下てしたの者を原澤村の名主方迄つかはし樣子やうす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
目明めあかしの類、物々しく詰め合ひて、毬棒いがばう刺叉さすまた林の如く立並べり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
武州入間ごおり赤尾村に、磯五郎という目明めあかしがあり、同時に賭場を開いていて、大勢の乾児こぶんを養っていた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「アレが目明めあかしの良助さんばい」