ちかい)” の例文
日頃、ちかいの血をすすり、義を天下に唱えながら、こんな仲間割れの醜態を、世上へさらしたら、民衆の信望はいっぺんに失墜してしまうに相違ない。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
城下ちかいを為すの恥を思わず、かえって忠貞をとらえて忌疑きぎを抱く。白映ペートルさかいを議す長崎の港、聖東ワシントン地をる下田のはま
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
開港と外人居留地の設置は、「城下のちかいである。」と、ののしった。幕府は、日本国を外国に売るものであると非難し、討幕をあおった。公卿と薩長人とは、その破壊活動者の本拠であつた。
これはいわゆる城下のちかいであって、これほど大きな恥辱はない、もし万一ますます乱暴をきわめて上京でもする様子があったら弊藩は一同死力を尽くして拒もう、よど鳥羽とばから上は一歩も踏ませまい
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そうして赤井をいれてこの三人と、親友のちかいをむすんだのである。
百足ちがい (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
もう誰が聯邦のちかいあてにしましょう。
一挙備中に入り、高松城を占め、進んで安芸あきの本城吉田山に肉薄して、否やなく毛利をして、城下のちかいをなさしめん。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しからずんばたちまちかの封豕長蛇ほうしちょうだもって我をして城下のちかいをなさしむべし。またことにその位置において兵略上のいわゆる争地たるの国土はもっとも武備に注目せざるべからず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ちかいかえせぬ君にとて、2760
象山常に春秋の義を引き、城下のちかいを以て国の大恥と為す。下田の議を聞き、いよいよ益々ますます憂憤す。予が事に坐して獄に下り、獄中になお上書して宇内うだいの沿革を論じ、航海の事務をべんと欲す。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
黄奎は指をんで血をそそぎ、天も照覧あれとちかいした。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とはにかわらぬちかいを願へど