皇儲こうちょ)” の例文
ちんはここに畏くも我上帝が、正義を行っておそれざる法官と、恥辱を忍んで法にしたが皇儲こうちょとを与えられたる至大の恩恵を感謝し奉る」
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
皇儲こうちょの御誕生を渇望しておりましたので、甚しきに到っては、ビクトリア女皇の皇女おうじょである皇后陛下の周囲に、独逸ドイツ賄賂まいないを受けている者が居る。
死後の恋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
皇儲こうちょ石本陸相の身体を懸念あらせられ、おか侍医を差遣さしつかわせさせ給うと聞き、岡の診察するに先だちて会見せんと岡に申し遣るとあり、四日には、官邸に行き
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
上野には博覧会が開催され、英国皇儲こうちょが来遊されるという、ことの多い三月下旬であった。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
明らかに皇儲こうちょとなりたまえる上は、よわいなお弱くとも、やがて天下の君たるべく、諸王あるいは功あり或は徳ありといえども、遠からず俯首ふしゅしてめいを奉ずべきなれば、理においてはまさこれを敬すべきなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)