白金はっきん)” の例文
そうだ、ちょうど「白金はっきん独楽こま」や「雲母きらら集」の詩や歌の出来た頃だ。ある晩坐っていると、筆がおもしろいくらい動くのだ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
手下の者から、念珠コンタツをうけとったかれは、それをくびへかけ、胸へ、白金はっきんの十字架をたらして、しずしずとだんの前へすすんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「俊夫さん、大変です。たった今うちへ泥棒が入って、大切な白金はっきんかたまりをとってゆきました。早く来てください」
暗夜の格闘 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
おそろしく背丈せいのたかい男である。すそまでスラリとくろのおびなしのふくながし、むねには、ペルシャねこの眼のごとくキラキラ光る白金はっきんの十をたらしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その白金はっきん覆輪ふくりんがまた何よりも強く眼をったのである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)