ぎゃく)” の例文
第二種(疾病編)疫、痘、ぎゃく、卒中、失神、癲癇てんかん、諸狂(そう性狂、うつ性狂、妄想狂、時発狂、ヒステリー狂等)、髪切り病、恙虫つつがむし
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
(やあ、はい、びさっしゃる事は何にもねえだがね、そこに久しく立っているとぎゃくを煩らうだあかンな、取憑とッつかれるでな。)
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「和名類聚鈔るいじゆせう」の病名部によると一名瘧病えやみともただぎゃくともいい、寒熱かんねつ、時ヲ措イテ振フ、とあるから今の流感に似て急性な症状でもあったろうか。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかるに近来の疑問というは、支那道教の法王張天師の始祖張道陵どうりょう、漢末ぎゃくを丘社に避けて鬼を使い、病を療ずる法を得、大流行となったが、のち蟒蛇に呑まる。
この時慶勝はぎゃくを患い出馬することを得なかったので、二日の深夜その家老成瀬隼人正正肥なるせはやとのしょうまさみつに鷲津毅堂を随伴せしめ、越前宰相松平慶永の邸に赴き善後の策を講ぜしめた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
手に持とうとそでに隠そうと、未知の人を探す上に、はたして何の役に立つか知らんと疑ぐった時、彼はちょっとのぎゃくを振い落した人のようにけろりとして、車内を見廻わした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ぎゃくを医するにはキニーネ剤にしくものなく、迷信を医するには妖怪学にしくものなしとは、余が証券印紙付きにて保証するところであります。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
さきに勾当こうとう内侍ないしのことを書いたがあらかた私の創作である。義貞がぎゃくを病んだのは事実だが、従来、内侍を賜う、という話は否定説の方が多い。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
俗にぎゃくのときに茄子なすを食するを忌むは、瘧のいゆるを落つるというによりて、茄子は熟しても落ちぬものなれば、言葉の縁をとりて茄子を嫌うに至りたりといい
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「おはなむけの辞、かたじけない。——じつはぎゃくを病んで、まだ少々病余にはござれど、武士の一ぶん、押して今日発向つかまつる。仮病にてはあらざりしことも、いつか上聞じょうぶんに達しおかれたい」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわちぎゃくととなえる病を療治する方法のごときも、いろいろありますが、従来日本の慣習として、これを医師の手にゆだぬることをなさず、すべてマジナイのごとき法をもって
妖怪学一斑 (新字新仮名) / 井上円了(著)
ぎゃく
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)