痴事たわごと)” の例文
「拙者は怪しい者ではない。計らず道に迷ったものじゃ。人殺しなどとは何んの痴事たわごと。これ老人気を静めるがよい」
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
めて居る時、御貴殿は父上を諌める気力もなく、山中に逃避して、女子供の機嫌を取るとは何んという痴事たわごと
「そんな貧弱みすぼらしい風態でお目にかかりたいとは何んの痴事たわごと! 莫迦を云わずと帰れ帰れ」
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
口の減らないじじいめが、何を痴事たわごとかしおる! 我が日本ひのもとは神国じゃ。神の御末みすえは連綿と竹の園生そのうに生い立ちおわす。海人あまが潮汲む浦の苫屋とまやしずまき切る山の伏屋ふせや、みなこれ大君おおぎみの物ならぬはない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「黙れ! 馬鹿! 痴事たわごと吐かせ!」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「何を痴事たわごと!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)