“田舎饅頭”のいろいろな読み方と例文
旧字:田舍饅頭
読み方割合
いなかまんじゅう66.7%
ゐなかまんぢゆう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから同じ物をもう一つ主人の前に置いて、一口もものを云わずに退がった。木皿の上には護謨毬ゴムまりほどな大きな田舎饅頭いなかまんじゅうが一つせてあった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さて品物は何にしようか、藤村の田舎饅頭いなかまんじゅうでも買って遣ろうか。それでは余り智慧ちえが無さ過ぎる。世間並の事、たれでもしそうな事になってしまう。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
款待振もてなしぶり田舎饅頭ゐなかまんぢゆう、その黒砂糖のあんの食ひ慣れたのも、可懐なつかしい少年時代を思出させる。故郷に帰つたといふ心地こゝろもちは、何よりも深く斯ういふ場合に、丑松の胸をいて湧上わきあがるのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)