田舎饅頭いなかまんじゅう)” の例文
旧字:田舍饅頭
それから同じ物をもう一つ主人の前に置いて、一口もものを云わずに退がった。木皿の上には護謨毬ゴムまりほどな大きな田舎饅頭いなかまんじゅうが一つせてあった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さて品物は何にしようか、藤村の田舎饅頭いなかまんじゅうでも買って遣ろうか。それでは余り智慧ちえが無さ過ぎる。世間並の事、たれでもしそうな事になってしまう。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
いつか藤村ふじむらへ、子供の一番好きな田舎饅頭いなかまんじゅうを買いに往った時、したて物の師匠の内の隣と云うのはこの家だなと思って、見て通ったので、それらしい格子戸の家は分かっている。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)