生絹きぎぬ)” の例文
ネルの單衣に涼しさうな生絹きぎぬの兵子帶、紺キャラコの夏足袋から、細い柾目の下駄まで、去年の信吾とは大分違つてゐる。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
畜生ちきしやう奴! 私はつと立つて電燈をパツとその方へ向けた。薄緑色の生絹きぎぬの笠を透かして青く漉されたオスラムの燭光が二階から出窓を斜めに暗い隣の屋根へさつとす。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
濡れた砂の上には網からあけられたしらすがざるに四五杯置き竝べてあつた。生絹きぎぬのきれはしの樣なこの小さな透明な魚たちはまだ生きてゐて、かすかにぴしよ/\と笊の中で跳ねてゐた。
鴉と正覚坊 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
貞丈雑記ていぢやうざつきに、湯を召さするに常のきぬの上に白き生絹きぎぬそのしろき生絹のを、湯巻ともいまきともいふなり。こは湯のしたたりの飛びて衣を濡すを防ぐべきための衣なり、とあり。俗に婦人の腰に纏ふ処の
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一、藤田堅物ふじたけんもつ——三つ、および生絹きぎぬたん
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ネルの単衣に涼しさうな生絹きぎぬ兵子帯へこおび、紺キヤラコの夏足袋から、細い柾目の下駄まで、去年の信吾とは大分違つてゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
薄い紫の生絹きぎぬを縫ふて刻むやうな
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
生絹きぎぬめかしてふる雨は
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
生絹きぎぬめかしてふる雨は
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)