玉石たまいし)” の例文
裾は露に、袖は夜霧に、ビッショリとぬれ果てて、女もさすがに疲れぬいてしまったものでしょう、道ばたの丸い玉石たまいしに腰をおろして、ジッと仮面めんをうつ向けました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玉石たまいしあたまから、すべりちた青竹あおだけを、くちをゆがめながらもとへなおして、おじいさんは、目垣めがきまえっていました。いたずらがきて、こうとするのだとおもったのです。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
砂利じゃり玉石たまいしは玉川最寄もよりから来るが、沢庵たくあん重石おもし以上は上流青梅あおめ方角から来る。一貫目一銭五厘の相場そうばだ。えらんだ石をはかりにかけさせて居たら、土方体どかたていの男が通りかゝって眼をみは
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その水盤には玉石たまいしを敷いて水を満たし、若木の柳とあしとが活けてあった。
そして廟の前の玉石たまいしに腰を悠然とおろした。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)