獅子鼻ししばな)” の例文
獅子鼻ししばなの孔へ二本の棒をさしこんだり、逆さに立ててころがしたり、だきしめて自分のお乳を厚い唇の間へ押しこんでシャブらせたりして大笑いしました。
桜の森の満開の下 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
奥山の話は榛野はんのという男の事に連帯して出るのが常になっている。家従どもは大抵菊石あばたであったり、獅子鼻ししばなであったり、反歯そっぱであったり、満足な顔はしていない。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
も少し獅子鼻ししばなででこぼこのある……まあこれだな、ベトーヴェンで間に合わせるんだな。
ドモ又の死 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
猫背ねこぜで、獅子鼻ししばなで、反歯そっぱで、色が浅黒くッて、頬髯ほおひげうるさそうに顔の半面をおおって、ちょっと見ると恐ろしい容貌ようぼう、若い女などは昼間出逢であっても気味悪く思うほどだが、それにも似合わず
少女病 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
薄くて細くて短い眉毛、それと比較して調和のとれた、細くて小さくてショボショボした眼つき、獅子鼻ししばなではないが似たような鼻、もうこれだけでも贔屓目ひいきめに見ても、美男であるとはいわれない。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
振むけてのおもてを見れば出額でびたい獅子鼻ししばな反歯そつぱの三五郎といふ仇名あだなおもふべし、色は論なく黒きに感心なは目つき何処までもおどけて両のほうくぼの愛敬、目かくしの福笑ひに見るやうなまゆのつき方も
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)