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犠
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にえ
ふりがな文庫
“
犠
(
にえ
)” の例文
やがて曇った夜の色を浴びながら満水して濁った川は、どんと船を突上げたばかりで、忘れたようにその
犠
(
にえ
)
を七兵衛の手に残して、何事もなく流れ流るる。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其のまゝ
舁
(
か
)
き移すやうに
席
(
むしろ
)
を
彼方
(
あなた
)
へ、小さく遠くなつたやうな思ひがして、其の娘も
犠
(
にえ
)
の仔細も、媼の
素性
(
すじょう
)
も、野の
状
(
さま
)
も、我が身のことさへ、夢を見たら夢に一切知れようと
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
どんな
願事
(
ねがいごと
)
でもかなふけれど、其かはり
生命
(
いのち
)
を
犠
(
にえ
)
にせねばならぬ
掟
(
おきて
)
ぢやわいなう、何と
又
(
また
)
世の中に、
生命
(
いのち
)
が
要
(
い
)
らぬといふ
願
(
ねがい
)
があろか、
措
(
お
)
かつしやれ、お嬢様、御存じないか、というたれば。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
我も
生命
(
いのち
)
も
惜
(
おし
)
まねばこそ、
恁
(
かか
)
る野にも
来
(
きた
)
りしなれ、
何
(
ど
)
うなりとも成るやうになつて
止
(
や
)
め!
之
(
これ
)
も
犠
(
にえ
)
になつたといふ、あはれな
記念
(
かたみ
)
の
衣
(
ころも
)
哉
(
かな
)
、としきりに
果敢
(
はかな
)
さに胸がせまつて、思はず涙ぐむ
襟許
(
えりもと
)
へ
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
犠
常用漢字
中学
部首:⽜
17画
“犠”を含む語句
犠牲
自己犠牲
犠牲者
犠牲的
人身犠牲
伏犠
伏犠神農
大犠牲
庖犠氏
犠卓
犠牲台
犠牲料
犠牲用
犠牲船
犠羊
生犠