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物書
爲に九助はイエサ
外々でも御座りません
那のと惣内の
面を見れば惣内
顏を
背けるを思ひ切て茲に御座る
名主樣ハイ惣内殿シテ同類は
手代物書の源藏と
語るを
当時の留守居役所には、この
二人の下に留守居
下役杉浦多吉、留守居
物書藤田徳太郎などがいた。杉浦は後
喜左衛門といった人で、事務に
諳錬した六十余の老人であった。
物書松本甲子蔵がこれに
随っていた。
駕籠の
中に坐した戸沢が、ふと
側を歩く松本を見ると、
草鞋の緒が
足背を破って、鮮血が流れていた。戸沢は急に一行を
止まらせて、大声に「甲子蔵」と呼んだ。