“物書”の読み方と例文
読み方割合
ものかき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
爲に九助はイエサ外々ほか/\でも御座りませんのと惣内のかほを見れば惣内かほそむけるを思ひ切て茲に御座る名主なぬし樣ハイ惣内殿シテ同類は手代てだい物書ものかきの源藏とかたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
当時の留守居役所には、この二人ふたりの下に留守居下役したやく杉浦多吉すぎうらたきち、留守居物書ものかき藤田徳太郎ふじたとくたろうなどがいた。杉浦は後喜左衛門きざえもんといった人で、事務に諳錬あんれんした六十余の老人であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
物書ものかき松本甲子蔵まつもときねぞうがこれにしたがっていた。駕籠かごうちに坐した戸沢が、ふとかたわらを歩く松本を見ると、草鞋わらじの緒が足背そくはいを破って、鮮血が流れていた。戸沢は急に一行をとどまらせて、大声に「甲子蔵」と呼んだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)