牝馬めすうま)” の例文
それらの馬は西風によって牝馬めすうまから生まれたスペインの麝香猫じゃこうねこにちがいないと思うくらいに、風のようにはやく走りました。
明日あした、柵のうまや栗毛くりげを曳いて、横山ノ牧へ、行てくだされ。こちらの牝馬めすうまの栗毛へ、横山の名馬と評判のたかい牡馬おすうまのタネを、もろうて来るのじゃ。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「へ、案のじょうおいでなすったな。色男。用事は馬にあるんじゃない。この牝馬めすうまに乗っている貴様にあるんさ。」
牝馬めすうまの腹に獣骨の管を挿入さしいれ、奴隷どれいにこれをかせて乳を垂下したたらせる古来の奇法きほうが伝えられている。
狐憑 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ところがこの牝馬めすうまめときたら、ひとに業を
『アッ。あれは、わしの新調の車らしいぞ。誇らしゅう、わしの前を打たせて行くわ。……ちえっ、牝馬めすうまめ。——おうなのくせに、色気いろけづいて、あぶみにも、くつわにもかからぬ牝馬め』