“煩悩具足”の読み方と例文
読み方割合
ぼんのうぐそく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
欲界の散地さんちに生を受くる者、心の散乱しないということがござりましょうや。煩悩具足ぼんのうぐそくの凡夫の身がどうして妄念を止めることが出来ましょう。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この無力の自覚のゆえに煩悩具足ぼんのうぐそくの我々にも絶対の力が乗り移る。従って我々の行なうぎょうも善も、自ら行なうのではなくして絶対の力が我々の内に動くのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
よくよく私はごうが深いのだ。私の老年になってこうなのだから、若い唯円が苦しむのも無理はない。しかし私は決して救いは疑わぬのだ。仏かねて知ろしめして煩悩具足ぼんのうぐそく凡夫ぼんぶと仰せられた。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)