焼酎せうちう)” の例文
旧字:燒酎
これがとまりくと、大形おほがた裕衣ゆかたかはつて、帯広解おびひろげ焼酎せうちうをちびり/\りながら、旅籠屋はたごやをんなのふとつたひざすねげやうといふやからぢや。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
焼酎せうちうを注文して、一気に飲み干すと、二杯目をまた注文した。客は誰もゐなかつた。乾物ひものを焼く匂ひが裏の方から流れて来た。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
頓死する四五日前、彼が焼酎せうちうを飲んでゐると、池の向うにある洗心亭へ、白い装束しやうぞくをした公卿くげが一人、何度も出たりはひつたりしてゐた。少くとも彼には昼日なか、そんな幻が見えたのだつた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あはれ、はや、焼酎せうちうとかはり、人はかれて
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
沸騰する焼酎せうちうの夏
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ゆき子は酔つた眼を吊りあげてゐる。おせいは持つて来た焼酎せうちうを水に割つて、ゆき子のコップについだ。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
わがまちよ、わが窓よ、なにしかも焼酎せうちうさけ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
見るがまに焼酎せうちうあわしぶきひたぶるなげ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)