焔硝えんせう)” の例文
しかし此の居候のお蔭で将門は段〻罪を大きくした。興世王の言を聞くと、もとより焔硝えんせう沢山たくさんこもつて居た大筒おほづゝだから、口火がついては容赦ようしやは無い。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
受けて、焔硝えんせうを使ふ商賣だ。どんな小さい玉一つだつて、外へ紛れ出て、それで濟むといふものぢやない、——と、鍵屋の親爺はカン/\になつて居ましたよ
こりゃ此處こゝに四十りゃうある、わし毒藥どくやくを一もんめほどってくりゃれ、すぐ血管けっくわん行渡ゆきわたって饜果あきはてた飮主のみぬし立地たちどころなすやうな、また射出うちだされた焔硝えんせうおそろしい大砲たいはう胴中どうなかからはげしうきふはしるやうに
燧石ひうちいしと火打鎌と、火口ほくち硫黄いわう附木ぢや、あんなことはむづかしからう。——そんなたよりない火附け道具で、四年越しの惡戯はできない——焔硝えんせうかな——」
書き落しましたが、曲者が寺と法要のある家を狙つたのは、焔硝えんせうに仕掛けた線香の口火の匂ひを誤魔化すためで、たま/\切支丹が疑はれたのを、丁度いゝことに利用したのです。
用意した焔硝えんせうで燃え草に火を放つたのでせう。