烏江うこう)” の例文
しかし、英雄のうつわじゃありません。その証拠は、やはり今日の戦ですな。烏江うこうに追いつめられた時の楚の軍は、たった二十八騎です。
英雄の器 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
この辺は、かん高祖こうその大軍をやぶった古戦場である。またかの有名な項羽こうう虞美人ぐびじんが最期の悲涙を濡らして相ようした烏江うこう夜陣やじんのあとも近い。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
烏江うこう水浅みずあさくして騅能逝すいよくゆくも一片いっぺんの義心ぎしん不可東ひんがしすべからずとは、往古おうこ漢楚かんその戦に、楚軍そぐんふるわず項羽こううが走りて烏江うこうほとりに至りしとき、或人はなお江を渡りて、再挙さいきょの望なきにあらずとてその死をとどめたりしかども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それも烏江うこうを渡って、江東の健児を糾合きゅうごうして、再び中原ちゅうげんの鹿を争った後でなら、仕方がないですよ。が、そうじゃない。立派に生きられる所を、死んでいるです。
英雄の器 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
烏江うこうの水は風に捲かれて、アレ見せる
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると彼は意外にも、「アリガト」と云う日本語を使った。そうして——そうして彼が何をしたか。私は彼自身の為にも又わが村田烏江うこう君の為にも、こんな事は公然書きたくない。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)