滑稽をかし)” の例文
うさ、だけどわたしおほきくなりかたほふかなつてる』とつて福鼠ふくねずみは、『そんな滑稽をかしふうぢやない』そこ忌々いま/\しさうにあがり、法廷ほふていかはえてきました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
かくて渠は、一滴の汁も残さず柏二杯を平らげたが、するとモウ心にも身体にも坐りがついて、先刻の事を考へると、我ながら滑稽をかしくなつて遂口に出して笑つて見る。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
見てくれは滑稽をかしかつたが
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
野村は我乍ら滑稽をかしい程狼狽うろたへたと思ふと、かつと血が上つて顔がほとり出して、沢山の人が自分の後に立つて笑つてる様な気がするので、自暴やけに乱暴な字を、五六行息つかずに書いた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)