温情おんじょう)” の例文
龍太郎りゅうたろう温情おんじょうをこめて、不遇ふぐうな女をなぐさめてやると、小文治こぶんじもおととしの春、まだ自分が浜名湖はまなこ漁師小屋りょうしごやにいて、母の死骸しがいをほうむる費用ひようもなく
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
には平袖ひらそで白衣びゃくいて、おびまえむすび、なにやら見覚みおぼえの天人てんにんらしい姿すがた、そしてんともいえぬ威厳いげん温情おんじょうとのそなわった、神々こうごうしい表情ひょうじょう凝乎じっわたくしつめてられます。