淮安わいあん)” の例文
それから年月を経て、万暦の末年頃、淮安わいあん杜九如ときうじよといふものが有つた。これは商人で、大身上で、素敵な物を買出すので名を得てゐた。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
きん生はあざな王孫おうそんといって蘇州の生れであった。淮安わいあん縉紳しんしんの屋敷の中にいて土地の少年子弟を教授していた。その屋敷の中にはあまり家がなくて、花や木が一めんに植わっていた。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
このはなしだけでもかなり骨董好きは教えられるところがあろうが、談はまだ続くのである。それから年月を経て、万暦まんれきの末年頃、淮安わいあん杜九如ときゅうじょというものがあった。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
十一月、駙馬都尉ふばとい梅殷ばいいんをして淮安わいあん鎮守ちんしゅせしむ。殷は太祖のじょ寧国ねいこく公主こうしゅしょうす。太祖の崩ぜんとするや、其のかたえに侍して顧命を受けたる者は、実に帝と殷となり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
崩を聞いて諸王は京に入らんとし、燕王はまさ淮安わいあんに至らんとせるに当りて、斉泰せいたいは帝にもうし、人をしてちょくもたらして国にかえらしめぬ。燕王をはじめとして諸王は皆よろこばず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)