ぎえ)” の例文
一二二むけ一二三物せし中に、木のはしけづりたるに、一二四那須野紙なすのがみのいたうふるびて、文字も一二五むらぎえして所々見定めがたき、正しく妻の筆の跡なり。
なり濶い面積の平野に躑躅や山菖蒲が咲いてゐて高原氣分を漂はせてゐる荒寞の景が人を襲ふが、此處こゝは雪がまだ山々にむらぎえむら殘りの頃か、さなくば秋の夕べの物淋しい頃が
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)