浪江なみえ)” の例文
浪江なみえ近くに一基の窯があって、海鼠釉なまこぐすりを用います。鉢だとか擂鉢すりばちだとか片口だとかに、しっかりした品物を見かけます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
……そこで義敦はわざと書院では会わず、数寄屋すきやで侍女の浪江なみえに茶をたてさせながら、新九郎を呼んだ。
蕗問答 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
秋山伊豆、名は惟恭、あざなは仲礼、小字せうじ浪江なみえ、長じて伊豆と称した。巌山、千別舎ちわきのやの号がある。讚岐国那珂郡櫛梨村の人、文久三年四月十日五十七歳にして歿した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
お懐かしき茅野雄様、わたし浪江なみえでござります。あなたのたった一人きりの、従妹いとこの浪江でござります。浪江があなた様へお願いいたします。妾のところへおいでくださいましと。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「私のところへ来たのは、鉄馬殿の娘浪江なみえを、わらのうちから育てた、加世かよという乳母うばで、用事にかこつけて、土蔵の中に入り込み、直々鉄馬殿に頼まれて、ここまで隠れてやって来たというのだ——」
磐城双葉ふたば浪江なみえ町大字川添字間々内
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
二人は茅野雄ちのお浪江なみえとであった。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)