氏神様うじがみさま)” の例文
その跡形あとかたが残っているのか、両方の氏神様うじがみさまに特別厳重な工作が認められる。扉に大きな錠前が七つかけてある。これにも経緯いきさつがある。
ある温泉の由来 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼女かのじょわたくしははと一しょに、れい海岸かいがんわたくしかくって、それはそれは親身しんみになってよくつくしてくれ、わたくし病気びょうきはやなおるようにと、氏神様うじがみさま日参にっさんまでしてくれるのでした。
金比羅こんぴらさまへ願をかけたり、重吉が氏神様うじがみさまへ百度を踏んだりした。ようやく命は取り止めたと思った時には乳は止ってしまい、しかたなくアグリは近村の石工の家へ里子に出された。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
ええ、串戯じょうだんにも、氏神様うじがみさま知己ちかづきじゃと言わっしゃりましたけに、嘉吉を荷車に縛りましたのは、明神様の同一おなじ孫児まごこを、継子ままこ扱いにしましたようで、貴女あなたへも聞えが悪うござりますので。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)