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毫釐
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ごうり
ふりがな文庫
“
毫釐
(
ごうり
)” の例文
毫釐
(
ごうり
)
にても自己の快楽の為にするという考があったならば、決して他愛より来る満足の感情をうることができないのである。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
また朝夕に部屋の
掃除
(
そうじ
)
を
励行
(
れいこう
)
せしむること厳密を極め、
坐
(
ざ
)
するごとに一々指頭をもって
座布団
(
ざぶとん
)
畳
(
たたみ
)
等の表面を
撫
(
な
)
で試み
毫釐
(
ごうり
)
の
塵埃
(
じんあい
)
をも
厭
(
いと
)
いたりき。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ねえ、米友さんや、さきほどもわたくしが、あなたに向って申しました、
毫釐
(
ごうり
)
も差あれば天地遥かに隔たると申しました。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
万有の間に因果律の一貫して時と所とに関せず、
毫釐
(
ごうり
)
の相違なく、秩序整然みだすべからず、動かすべからざるこそ、実に不思議、霊怪というべけれ。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
すべての事情は矢のごとき速度で見るまに究極まで達した。その推移はじつに運命的な性質を帯びていた。私は私の愛そのものにそむかずしてはもはや
毫釐
(
ごうり
)
の力もない。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
▼ もっと見る
君の為め国の為めなる美しき名を
藉
(
か
)
りて、
毫釐
(
ごうり
)
の争に千里の恨を報ぜんとする心からである。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
勢い
兜
(
かぶと
)
を脱いで降参しなけりゃならぬが、例えば22が4というは欺くべからざる確実の数理であっても、科学者が天体を観測するに
方
(
あた
)
って
毫釐
(
ごうり
)
の違算がしばしば何千万億の錯誤を
来
(
きた
)
すと同様に
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
そこには
毫釐
(
ごうり
)
の仮借もなきものである。
鑑賞力なくして習字する勿れ
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
或定まった事情よりは、或定まった一の現象を生ずるのみであって、
毫釐
(
ごうり
)
も他の可能性を許さない。自然現象は皆かくの如き盲目的必然の法則に従うて生ずるのである。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
彼の最もよいと云われるところは我輩から見れば
毫釐
(
ごうり
)
の差が天地の距りとなっている、彼が最後まで机竜之助を演りたい演りたいということに
憧
(
こが
)
れて憧れ死にをしたような心中は
生前身後の事
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
氏によれば認識の性質のなかに自由の観念が含蓄されている。自然現象においてはある一定の事情よりは、ある一定の現象を生ずるのであってその間に
毫釐
(
ごうり
)
も他の可能性を許さない。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
愛する人が自分から離れて行こうとする
毫釐
(
ごうり
)
の変化、もしくは前から離れていたのだという悲しい事実を、今になって、そろそろ認め始めたという心持の変化。それが何で小林ごときものに知れよう。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
毫釐
(
ごうり
)
有差天地懸隔」の道理が、可憐なる大菩薩峠の作者に、こうも筆を運ばせる。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ごらんなさい、米友さん、あなたが、あそこでちょっと気が変ったばっかりに、この通り舟の方向が、すっかり変ってしまいました。
毫釐
(
ごうり
)
も差あれば天地はるかに隔たるとは、まことにこの通りでございます」
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
毫
漢検1級
部首:⽑
11画
釐
漢検1級
部首:⾥
18画
“毫”で始まる語句
毫
毫末
毫光
毫毛
毫厘
毫髪
毫程
毫端
毫鍼
毫頭慰藉