残賊ざんぞく)” の例文
此度このたびくはだて残賊ざんぞくちゆうして禍害くわがいつと云ふ事と、私蓄しちくあばいて陥溺かんできを救ふと云ふ事との二つをこゝろざした者である。しかるにかれまつたく敗れ、これは成るになん/\としてくじけた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
しかるに今の天下の形勢は枝葉しえふんでゐる。民の疲弊ひへいきはまつてゐる。草妨礙くさばうがいあらば、またよろしくるべしである。天下のために残賊ざんぞくを除かんではならぬと云ふのだ。そこで其残賊だがな。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)