-
トップ
>
-
正鵠
>
-
ほし
無實の罪に
陷し入しは奉行の
不明なり其不明なる者に
重き役儀を申付たるは其領主の
落度也夫此度の一件は其方共必ず九郎兵衞より
賄賂を請しに相違有まじと
正鵠を
疑ひし後にて手前に有る事もあれば此儀は右兩人を
召捕篤と吟味の上ならでは
決定仕難し其儀如何とあれば今汝が申す方此内記甚だ
信用せずとの
詞の中に
拵へ事と
正鵠を
見澄し荷物又は懷中の金子等を
奪ひ
取護摩灰とかいふ盜人が道中筋には有と申すが貴樣も其樣な
類ひならんと
正鵠をさゝれて彼町人心の内に南無三寶
彼奴め我等を
護摩灰と
悟しかと思ひ
故意と言葉を