棒端ぼうばな)” の例文
雪道を雁股かりまたまで、棒端ぼうばなをさして、奈良井川の枝流れの、青白いつつみを参りました。氷のような月が皎々こうこうえながら、山気が霧に凝って包みます。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
定め其處よ彼處かしこと思へ共つひに其日は捨兼て同じ宿なる棒端ぼうばな境屋さかひやと云旅籠屋はたごやに一宿なして明の朝此所の旅店やどやを立出て人の往來ゆきゝの無中にすてなんとおいつ其場所がらを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ほどなく美人はめて、こは石動の棒端ぼうばななるをさとりぬ。御者はすでにあらず。渠はその名を嫗にたずねて、金さんなるを知りぬ。その為人ひととなりを問えば、方正謹厳、その行ないをただせば学問好き。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)