棒杭ぼうくい)” の例文
しかも、明らかに凶器として使用されたらしい棒杭ぼうくいが、死体から一間ばかりはなれたところに投げすてられて、霜をかぶっていた。
誰が何故彼を殺したか (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
そして七合五勺の室へ来て、海抜三千二百米と、棒杭ぼうくいに註されたのを見たとき、私は身の丈が急に高くなったような気がした。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
棒杭ぼうくいのように突ッ立っていやがる! 『おれは三番目の人間だよ』などというようなつらをして、そばに立って見ているのは
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこからすこし右手に朽ちかかった棒杭ぼうくいが五六本あって、葉の細長い藻の生えた深いよどみができている、わたしはそこへ舟を着けて釣糸を垂れた。
お繁 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
みんな夜叉やしゃのようにいきり立ち、そこらの垣根の棒杭ぼうくいを引き倒して抜いてもってきたらしく、くぎのついた四角な木切れや、太いステッキをもっていて
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
おろく (廊下の奥をのぞき)そこに立ってるのは人間か棒杭ぼうくいか。薄ッ気味のよくねえ人達だ。
沓掛時次郎 三幕十場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
棒杭ぼうくいのように堅くなって、お辞儀をし、一通りの挨拶あいさつを済ますや否や、クリストフの手に飛びついて、それをもぎ取ろうとでもするように五、六度打ち振り、そして叫び出した。
匪賊の首領かしらは数人の手下をつれて、見物に出てきました。向こうには五十人ばかりの捕虜ほりょが、荒縄あらなわで縛られ、棒杭ぼうくいに結びつけられて、もう覚悟を決めたらしく、うなだれていました。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)