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桃源
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とうげん
ふりがな文庫
“
桃源
(
とうげん
)” の例文
惜しい事に今の詩を作る人も、詩を読む人もみんな、西洋人にかぶれているから、わざわざ
呑気
(
のんき
)
な
扁舟
(
へんしゅう
)
を
泛
(
うか
)
べてこの
桃源
(
とうげん
)
に
溯
(
さかのぼ
)
るものはないようだ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
………太平の
御代
(
みよ
)
の有り難さと云おうか、
桃源
(
とうげん
)
の国と云おうか、久しぶりに浮世を離れたのんびりとした心持になって
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そうして七十歳にでもなったらアルプスの奥の
武陵
(
ぶりょう
)
の山奥に何々会館、サロン何とかいったような陽気な
仙境
(
せんきょう
)
に
桃源
(
とうげん
)
の春を探って不老の霊泉をくむことにしよう。
銀座アルプス
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
馬春堂怪
遊綺譚
(
ゆうきたん
)
か、まずいな、
桃源
(
とうげん
)
夢物語、とすると人がほんとに思うまいし……武蔵野あやし草、これも面白くない、いっそ、馬春堂日記、ふん……それでもいいな、梅花堂流の易学者馬春堂先生
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仙丹
(
せんたん
)
に練り上げて、それを
蓬莱
(
ほうらい
)
の
霊液
(
れいえき
)
に
溶
(
と
)
いて、
桃源
(
とうげん
)
の日で蒸発せしめた精気が、知らぬ
間
(
ま
)
に
毛孔
(
けあな
)
から
染
(
し
)
み込んで、心が知覚せぬうちに
飽和
(
ほうわ
)
されてしまったと云いたい。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
桃源
(
とうげん
)
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半滴
(
はんてき
)
のひろがりに、一瞬の短かきを
偸
(
ぬす
)
んで、疾風の
威
(
い
)
を
作
(
な
)
すは、春にいて春を制する深き
眼
(
まなこ
)
である。この
瞳
(
ひとみ
)
を
遡
(
さかのぼ
)
って、魔力の
境
(
きょう
)
を
窮
(
きわ
)
むるとき、
桃源
(
とうげん
)
に骨を白うして、再び
塵寰
(
じんかん
)
に帰るを得ず。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“桃源”の意味
《名詞》
桃源(とうげん)
俗世間を離れた平和な世界。
(出典:Wiktionary)
“桃源(
桃源郷
)”の解説
桃源郷(とうげんきょう)は、俗界を離れた他界・仙境。ユートピアとほぼ同意で、陶淵明の『桃花源記』はかつて存在した武陵郡地域の話なので「武陵桃源」(ぶりょうとうげん)ともいう。
(出典:Wikipedia)
桃
常用漢字
中学
部首:⽊
10画
源
常用漢字
小6
部首:⽔
13画
“桃源”で始まる語句
桃源橋
桃源郷
桃源境