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朴念仁
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ぼくねんじん
ふりがな文庫
“
朴念仁
(
ぼくねんじん
)” の例文
この点で科学者は、普通の頭の悪い人よりも、もっともっと物わかりの悪いのみ込みの悪い
田舎者
(
いなかもの
)
であり
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
でなければならない。
科学者とあたま
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そっくり返せというのは、こちとらにはねえ仁義だ。
巫山戯
(
ふざけ
)
た事を言やがると、彦兵衛だろうが
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
だろうが、勘弁しねえぞ
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「婿には多い型だが、それに輪を掛けたような好人物で、もちろん女を扱うこつなんぞはまるっきり知らない、つまり
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
というやつです」
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
しかしそれは何も、そういう連中が皆
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
であるという意味ではない。皆結構生活を楽しんでいるのであるが、その楽しみ方が甚だ利口なのである。
パーティ物語
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
それほど杜という男は、彼女にしてみればスパナーのように冷たく、そして
焦
(
じ
)
れったい
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
であった。
棺桶の花嫁
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
「二度いうと
風邪
(
かぜ
)
を引かあ。おまはんみたいな人がよくいう見かけ倒しという
代物
(
しろもの
)
だ。犬の頭に
角
(
つの
)
が生えても、こんな
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
からカビも生えやしねえってことさ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天下に、切っても切れない
不死身
(
ふじみ
)
、
洒落
(
しゃれ
)
てもこすってもわからない
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
、くすぐっても笑わない
唐変木
(
とうへんぼく
)
、これらのやからの始末に困るのは、西郷隆盛ばかりではないらしい。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一体中学の先生なんて、どこへ行っても、こんなものを相手にするなら気の毒なものだ。よく先生が品切れにならない。よっぽど
辛防
(
しんぼう
)
強い
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
がなるんだろう。おれには到底やり切れない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
刑事とて、洒落を解せぬ
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
ばかりではないのである。
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
で何んの役にも立たず、現に、もう一人の若い手代の宗吉といふのは、下男のやうに働かされてゐますが、あれは何んでも親の借金の代りに
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
だよ、石の地蔵か金仏だよ、なんだいあのわかぞう、ふざけちゃいけないよ」
契りきぬ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「それでつまり、貴女のことも怒っているというわけですね、呆れ返った
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
だ」
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
其処
(
そこ
)
へ落武者になった欽さんが飛込んで来るなんて、草双紙にも滅多に無い筋じゃないか、——あの通り世間は物騒だし、幸い
主人
(
あるじ
)
は
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
で二人の仲に気が付かないから、五年でも十年でも
芳年写生帖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あんな
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
の下で働かされちゃあ息の根が止まっちまう。
枡落し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
言やがると、彦兵衞だらうが
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
だらうが、勘辨しねえぞ
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
らしい浪人者は案外に眼が屆きます。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
とんだ
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
だよ先生は。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
朴念仁
(
ぼくねんじん
)
であり、馬鹿でさへありました。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“朴念仁”の意味
《名詞》
朴 念 仁(ぼくねんじん)
理解の悪い人。無口で愛想のない人。
転じて、自身が目の前にいる人から思慕の念を寄せられている事に気付かない鈍感な人。
(出典:Wiktionary)
朴
常用漢字
中学
部首:⽊
6画
念
常用漢字
小4
部首:⼼
8画
仁
常用漢字
小6
部首:⼈
4画
“朴念”で始まる語句
朴念人