トップ
>
朱雀大路
>
すざくおおじ
ふりがな文庫
“
朱雀大路
(
すざくおおじ
)” の例文
彼は何となく男の本能から
悸乎
(
ぎょつ
)
とした。美しい人びとの往来する
朱雀大路
(
すざくおおじ
)
を思うだけでも、永い間田舎に住んだ
渇
(
かわ
)
きがそこで充たされそうであった。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
柳の花の飛びちっている
朱雀大路
(
すざくおおじ
)
を、長安かなんぞの貴公子然として、毎日の日課に馬を乗りまわしている
兵部大輔
(
ひょうぶたいふ
)
の家持のすがたは何んともいえず
愉
(
たの
)
しいし、又
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
私どもは彼らが春風に
袂
(
たもと
)
をなぶらせて羅生門の
丹楹
(
たんえい
)
白壁の楼から左右にながく流れる平安城の
築地
(
ついじ
)
のくずれを背にして、または
朱雀大路
(
すざくおおじ
)
の柳と桜とのやわらかな下蔭にたたずむように考える。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
朱雀大路
(
すざくおおじ
)
のはずれにある、
羅生門
(
らしょうもん
)
のほとりには、時ならない弦打ちの音が、さながら
蝙蝠
(
こうもり
)
の羽音のように、互いに呼びつ答えつして、あるいは一人、あるいは三人、あるいは五人、あるいは八人
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
朱雀大路
(
すざくおおじ
)
を南に下ると、やがて内裏が見えてきた。
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
沙金
(
しゃきん
)
を中に、雨雲のむらがるごとく、一団の殺気をこめて、
朱雀大路
(
すざくおおじ
)
へ押し出すと、みぞをあふれた
泥水
(
どろみず
)
が、くぼ地くぼ地へ引かれるようにやみにまぎれて、どこへ行ったか、たちまちのうちに
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ただ、所々
丹塗
(
にぬり
)
の
剥
(
は
)
げた、大きな
円柱
(
まるばしら
)
に、
蟋蟀
(
きりぎりす
)
が一匹とまっている。羅生門が、
朱雀大路
(
すざくおおじ
)
にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする
市女笠
(
いちめがさ
)
や
揉烏帽子
(
もみえぼし
)
が、もう二三人はありそうなものである。
羅生門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし茨木童子などは我々の銀座を愛するように
朱雀大路
(
すざくおおじ
)
を愛する余り、時々そっと羅生門へ姿を
露
(
あら
)
わしたのではないであろうか? 酒顛童子も大江山の
岩屋
(
いわや
)
に酒ばかり飲んでいたのは確かである。
桃太郎
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“朱雀大路”の解説
朱雀大路(すざくおおじ)とは、律令制時代の日本における都内の大路で、条坊制の都市において宮城・官衙の正面から南方に向かう道のこと。名称は南方の守護神である朱雀に因む。都を南北に走り、首都正門羅城門に始まり、大内裏正門朱雀門に終わる。
(出典:Wikipedia)
朱
常用漢字
中学
部首:⽊
6画
雀
漢検準1級
部首:⾫
11画
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“朱雀”で始まる語句
朱雀
朱雀門
朱雀野
朱雀院
朱雀玄武旗
朱雀綾小路