朱氏しゅし)” の例文
隣邦の中国では、大同だいどうに兵乱があり、遼東りょうとうが騒いだりしていたが、げんの国号をあらためてみんとしてから、朱氏しゅし数百年の治世はまだゆるぎもしなかった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諸王をして権を得せしむるも、また大なりというべし。太祖の意におもえらく、かくごとくなれば、本支ほんしあいたすけて、朱氏しゅし永くさかえ、威権しもに移る無く、傾覆のうれいも生ずるに地無からんと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
呉の元年よりここに至るまで、日を積むこと久しく、慮を致すことくわしくして、一代の法始めて定まり、朱氏しゅしの世を終るまで、獄を決し刑を擬するの準拠となりしかば、後人をして唐にくらぶれば簡覈かんかく
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)