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木連格子
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きつれごうし
ふりがな文庫
“
木連格子
(
きつれごうし
)” の例文
宮内
(
くない
)
は急にいそぎ足になって、
境内
(
けいだい
)
のかたすみにある六
角
(
かく
)
堂
(
どう
)
へ向かっていった。一
間
(
けん
)
の
木連格子
(
きつれごうし
)
が、六面の入口にはまっていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大宮の庭の名残りの黄菊紫蘭とも見え、月の光に暗い
勾欄
(
こうらん
)
の奥からは
緋
(
ひ
)
の袴をした
待宵
(
まつよい
)
の
小侍従
(
こじじゅう
)
が現われ、
木連格子
(
きつれごうし
)
の下から、ものかわの
蔵人
(
くらんど
)
も出て来そうです。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それにつけても、こんなに荒れたままで大川屋さんに差上げては、いくら何でもお気の毒だからと申して、玉垣と鳥居を塗ったついでに、
木連格子
(
きつれごうし
)
だけは
紅殻
(
べんがら
)
で塗っておきました。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と観音堂の
木連格子
(
きつれごうし
)
を明けると、畳が四畳敷いてございます。其の奥は板の間になって居ります、年の頃五十八九にもなりましょう、色白のでっぷりした尼様、鼠木綿の無地の衣を着て
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それを登り尽した丘の上に、大きい薬師堂は東に向って立っていて、紅白の長い紐を垂れた
鰐口
(
わにぐち
)
が
懸
(
かか
)
っている。
木連格子
(
きつれごうし
)
の前には奉納の絵馬も沢山に懸っている。めの字を書いた額も見える。
磯部の若葉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
勘作は頭をあげて
木連格子
(
きつれごうし
)
の間から中の方を見たがなにも見えなかった。
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
宮内はこうなだめておいて、そこの
扉
(
とびら
)
をピンと
閉
(
し
)
めたかと思うと、こんどは、つぎから二ツ目の
木連格子
(
きつれごうし
)
の
錠
(
じょう
)
をあけた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
といいながら門の中へ這入って見ると、
木連格子
(
きつれごうし
)
に成っている庵室で、村方の者が奉納したものか、
丹
(
たん
)
で塗った提灯が幾つも掛けてあります。正面には
正観世音
(
しょうかんぜおん
)
と書いた額が掛けてあります。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
徳蔵稲荷の
木連格子
(
きつれごうし
)
は、紅殻を塗ったばかりだって、和泉屋の亭主は言ったね、——あの拝殿の鈴を
毟
(
むし
)
り取るのは、賽銭箱の上に登らなきゃならねえが、足元が悪いから、鈴を取るとグラリと行く
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「バカ! こんなほそい
木連格子
(
きつれごうし
)
ぐらい、破ろうと思えば破れるが、それでは、ご
恩
(
おん
)
になった
菊村
(
きくむら
)
さまにすまないから、おゆるしのあるまで、ジッとしんぼうしてはいっているのだ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
妻恋坂上のささやかな稲荷、見通しの
木連格子
(
きつれごうし
)
の前、大きな
賽銭箱
(
さいせんばこ
)
の蔭に隠れるようになって、
紅
(
あけ
)
に染んだ娘が一人、浅ましくも痛ましい姿を、まざまざと三月の朝陽に照らし出されているのでした。
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
連
常用漢字
小4
部首:⾡
10画
格
常用漢字
小5
部首:⽊
10画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“木連”で始まる語句
木連