有平糖あるへいたう)” の例文
有平糖あるへいたうのやうなかみしもを着て、鼻の下に白粉を塗つたまゝ、手拭を首つ玉に卷いた姿で、ガラツ八の前へヒヨイとお辭儀をしました。
なほ又、駄菓子屋の店先に並んだ番重の中から有平糖あるへいたうを盗み取る常習犯であつたことまで数へ立てて、私を、ぬすツと、と言つて触れ廻つた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
小さな有平糖あるへいたうのやうな美しい赤と青のぶちの苹果を、お父さんはこどもに持たせました。
氷と後光 (旧字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
昌黎しやうれいいろはげましてしかつていはく、かくごときは、そも/\如何いかなることぞと、うばつてこれれば、しな有平糖あるへいたうかけらごとくにして、あらず、うつくしきもゝ花片はなびらなり。たなそこおとせば、ハラハラとひざる。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)