晩餐ばんめし)” の例文
ナニ晩餐ばんめしを食べたのちでも明日の分を繰上げると思えば何でもない是非御相伴おしょうばんしろといられたので僕も鰻飯うなぎめしは大好物なり
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そこへ晩餐ばんめし報知しらせ階下したから聞えたので、皆んなドヤドヤと下りて行つたが、勝代は一人後へ殘つて、二三度母の呼び立てる聲を聞いてから、やう/\炬燵を離れた。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
彼は凍火酒ウィモロズキを嗜まず、ただ午餐ひるめし晩餐ばんめしの前に火酒ウォツカを一杯やるだけで、マヅルカも踊らなければ、⦅銀行バンク⦆もやらなかつたので、自然、いつも独りぼつちでゐる他はなかつた。
大錦君は巡業の帰路上州高崎に居たのをうて志を申入れた。大錦君が失笑ふきだした。それでも承知して湯にも入れ晩餐ばんめしも一しよに喰はうと言つて呉れた。新弟子にしては叮嚀過ぎた扱である。
相撲の稽古 (新字旧仮名) / 岡本一平(著)
甘党の松島は卓上電話で紅谷べにやから生菓子を取り寄せ、玉露をれて呑んでいたが、晩餐ばんめしには姐さんのためにてんやものの料理が決まって二三品食卓に並び、楽しい食事が始まるのだったが
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
野尻氏は晩餐ばんめしがすむと、毎晩のやうに奈良公園へ散歩に出た。
無学なお月様 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「どうです、食べられますか。ひどい晩餐ばんめしですな。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
早目に晩餐ばんめしを濟まして、今度はお定の番。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
何となれば今まで随分晩餐ばんめしの二度ぐいなんぞをっても平気だったもの。あの時にかぎってこんなに遣られたのは何か外に原因がありはせんかと思う。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
野尻氏は晩餐ばんめしがすむと、毎晩のやうに奈良公園へ散歩に出た。